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「……ふむ……」
パクッ……とクッキーを食べながら見ていたサクラは飛鳥の言いたいことを理解した。つまりこのテレビ企画に参加するため、クイズを自分に解かせようという腹のようだ。後ろを振り返ってみれば呆れるほど用意周到なことにもう公募の選定クイズ・スタート画面になっている。
「あたしにやれ……ってかい」
サクラはお菓子とコーラを握りながら飛鳥のPCの前に移動した。
「アンタの頭脳なら必ずクリアーできるっ!!」飛鳥は挑む気はないらしい。
「あのなぁ……あたしがクイズやってアンタが替え玉かい!? そんなのボロが出るに決まってンじゃん。それにウチらは未成年、無理じゃん」
「ふっふっふ♪ 飛鳥様がそのあたりぬかりあるものかぁー! ……今回は『AS探偵団』として二人一組で参加でも構わないか局の知り合いのADに確認したわ! クイズをクリアーすれば問題なしっ! 保護者も問題ないこと確認済みや♪」
「なんで保護者の問題がクリアーなのよ?」
「実はウチらの知り合いがすでにエントリー確定なんや♪ あの人との関係説明したら、保護者っていうことでOKやから、クイズさえクリアーすればウチらの参加問題なし!」
「はぁ……」
どうして普段は面倒くさがりのズボラなのにこういうことには手際がいいのか……毎度のことながら……サクラは呆れるばかりである。
「ちなみに本番で事件解決したら2000万円! 解決にいかなくても納得できる推理出せば100万から500万の賞金ありやで!! これでウチらAS探偵団は一気にお金持ちやぁぁぁぁーーーーっ」
「所詮アンタの情熱はお金かい。ま、いいや。どうせヒマしてたトコだから、やってやろーじゃん♪」
そういうとサクラはスタートボタンをクリックした。画面に経過時間が表示され、数学、化学、科学、歴史、脳トレ、想像力系の難問クイズが次々に提示されていく。一般人では10問も突破できないと思われるほど難易度が高かったが、超天才のサクラにとっては造作もないものだった。
こうして、この事件は始まったのであった。
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