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秘書室に戻ると、室長が戻っていて、理央と奈美は帰り支度を始めていた。
そこで室長がみんなに呼び掛けるように話し始めた。
「就任前ではあるが、いろいろな準備で明日から渉さんが出社される。秘書には桐谷君に就いてもらうことになった。桐谷君と私はバタバタすると思うから、他の二人もフォローを頼む」
二人は返事をした後、止めていた手をまた動かしながら、顔だけを私に向けた。
「ノア、大変だね。大丈夫? あの新社長は?」
「ホント、見た限りでは、遠野社長とは真逆だよね」
「……そうかもね」
……でも、やるしかないのよ。
「これから、行くの? 病院。」
「うん」
「ノアの顔見たら、社長も安心するかもね」
「安心するのは私だよ……」
そう答えながら、早く社長に会いたくてたまらなくなった。
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