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「素敵ですね!」
会場となるホテルに着いた。
外観も内装も文句なしの高級ホテル。
会場は結婚式場にも使用されるという広い会場だった。
前日の午後なので、既に明日に向けての準備がなされて、会場はほとんど整っている。
会場の前方中心にはステージが設けられ、バックには金屏風、その上には『祝 遠野 渉社長就任披露パーティー』とうたった立派な横断幕が掲げられていた。
「準備はだいたい整っているようですね。」
「ああ。」
室長の言葉に渉さんが辺りを見渡しながら答えた。
そして、ぐるりと会場を見渡した後、その視線を私で留めた。
「で、お前の準備は出来てるんだろうな?」
…え?
瞬時には何のことか理解できなかった。
けれど、次の瞬間焦り始める。
…私、何か指示されてたっけ?
考えても考えても思い出せない。
…どうしよう。
「…私の…準備といいますと…?」
恐る恐る渉さんに尋ねた。
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