3056人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
「…社長、どちらへ?」
「黙ってついてこい。」
「…はい。」
…渉さん、結構本気で怒ってるのかもしれない。
確かに、会長が来られるとわかっていたのに…。
会長が出席されることで、嬉しくて、舞い上がってて、ちゃんとパーティー…渉さんのことまで気がまわってなかったのかもしれない。
…秘書…失格。
駐車場に着くと、渉さんは私を一度も振り返ることもなく、さっさと運転席に乗ってしまった。
私は小さなため息をついてから急いで助手席に乗り込んでシートベルトを締めた。
会話のない車内。
その中で私の心を埋め尽くすのは
『…秘書失格…。』
これは、予想以上にこたえていた…。
最初のコメントを投稿しよう!