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この世には魔界と人間界が存在する。魔界は人間界に自分たちの存在をかくしている。この話はそんな魔界から人間界へ移り住んでいる、ある魔界人の話。
§
今日から高校生になる法花は期待に胸を膨らませ、学校へ行く支度をした。
「うわぁ…!高校生ってカンジだ…!」
うっとりして自室の姿見の前に立っていると、母の叶が大きな声で法花を呼んだ。
「法花ぁ~。彼方くんが迎えに来てるわよぉ~。」
「えっ!?」
法花は急いで荷物を持って階段をかけおりた。
「1日目だし法花が迷子になると思って来てやったんだからな!感謝しろよ~?」
冗談混じりに笑いながら彼方は言った。
「とか言っちゃって、本当は自分が迷子になりそうだったからでしょ~?」
「ちっ、ちげぇよ!バーカ!////」
法花は彼方のこの照れた顔が好きで惚れていた。法花が彼方のその顔を見つめて微笑んでいると、それに気づいた彼方がさらに頬を赤らめた。
「わ、わらうなぁ~!////」
それがあまりにもかわいくて今度は吹き出してしまった。すると2人のやり取りをこっそり見ていた叶と法仁はニヤニヤしながら話しかけてきた。
「若いなぁ、二人とも~。僕らにもこんな時代があったな~。」
「そうねぇ~。あのときは楽しかったわねぇ~。」
すると法仁がはっとした顔をした。
「そういえば二人とも、時間大丈夫なのか~?入学式遅刻ははずかしいぞ~。」
それを聞いて2人はあわてて家を飛び出した。
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