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俺とは一晩一緒にいながら平然としやがって、
菊森に抱きかかえられてあの顔かよ。
嫉妬という扱いにくい感情は、どうしようもない苛立ちに変わって、俺の腹の中で膨らんでいく。
それでも何とか顔には出さないように努めながら、洗面所に入って、冷たい水で顔を洗い、朝の身支度を整えた。
ネクタイを締める時には昨日アイツが直してくれた時のことを思い出す。
…が、…菊森にもしていたと思うと苛立ちが増しただけだった。
身なりを整えて洗面所から出ると、菊森が窓際のスツールに腰掛けて待っていた。
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