本性

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祈るような気持ちでいると、やっとテーブルに朝食が届いた。 コーヒーと紅茶のいい香りが広がると、不思議と不安も消えていく。 「いただきます。」 私が紅茶のカップに手を伸ばすと、渉さんと室長もそれぞれコーヒーカップを手に取った。 室長は今日は仕事も休みなはずなのに、いつもどおりスーツにネクタイを締めていて室長らしい。 一方、渉さんはノーネクタイでスーツを着崩してる。 二人とも全然違うけど、二人ともコーヒーが良く似合っている。 …性格も…全く違うもんね…この二人。 私はこみ上げてくる笑みを二人には見えないようにカップで隠した。
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