本性

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翌朝、出社するといつも通りに室長が先に来ていた。 室長の席は窓を背にしているので、いつも逆光で顔が見にくいけれど、笑顔なことはわかる。 いつもと変わらない優しい笑顔。 私は挨拶をしてすぐに社長室の準備に向かった。それが終わって戻って来ると、室長が待っていたかのように切り出した。 「あれから少しは休めたか?」 「はい。帰ってすぐに携帯、充電しました。あの日は本当にすみませんでした。」 「あ、いや…もう、いいんだよ。」 室長の言葉にやや歯切れの悪さを感じながら、少し疑問に思っていると理央と奈美が出社してきた。
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