距離-2

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「…え? 社長!?」 彼女が驚くのも無理はない。 渉の出社にしては随分早い時間だ。今までこんな時間に渉が出社したことはない。 「まだ、社長室の準備できてないのに…。」 彼女はそう言って慌てて社長室に向かった。 そして、社長室の準備を整えた後、渉に今日一番のコーヒーを入れるだろう。 『桐谷』 渉は彼女を名前で呼んだ。 昨日のたった一日での大きな変化に胸騒ぎがする。 彼女と渉の距離が確実に縮まった。 確実に…… そして…急速に。 早いとこ手を打とうと思ったその矢先、 新たな問題が俺を… …俺と渉を、悩ませることになった――。
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