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『はい。なんだか目が冴えちゃって…。今日は懐かしい場所で懐かしい人にも会えましたし…それに…』
彼女はそこで一度話を区切ったが、俺はその先が気になってやきもきする。
それでも何とか彼女の言葉を待っていると、耳に流れ込んできたのは彼女の…とても柔らかい声だった。
『…他にもいいことがたくさんあったんですよ。』
「…いいこと？」
『はい。それがとてもうれしくて。…あ、あの、また明日、ご報告しますね。室長…すみません。私の連絡待ってておやすみになってなかったんですか？』
「…いや、そういうわけじゃない。他にもやることがあってね。…とにかく疲れただろ。おやすみ。」
『はい。おやすみなさい。』
電話を切った。
彼女が言うとおり、連絡を待ってて眠れなかったが、
連絡があっても、彼女とこんな話をした後では……
なおさら、眠れそうになかった―――。
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