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――翌朝。
俺が出社して間もなく、彼女が軽快に秘書室のドアを開けた。
昨夜遅かったというのに、デスクに向かう足取りは軽い。
「おはようございます。」
「おはよう。」
彼女の笑顔がいつも以上にまぶしく見えるのは気のせいだろうか。
「昨日はご苦労さま。大変だったね。」
平静を装うのも一苦労だ。
「いえ、私は全然大丈夫なんです。ずっと運転もお任せしてましたし…社長の方がずっとお疲れだと思います。」
渉を気遣うセリフに胸の奥をチクリと刺される。
「…そうか。…で、今日もまた嬉しそうだが…昨日言ってた…“報告”とやらを聞いてもいいかな?」
その時だった。俺が彼女から返事をもらう前に渉が秘書室に顔を覗かせた。
「桐谷、コーヒー。」
そう言い放って渉は社長室に進んだ。
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