刺客 1

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全員で飲み物を注文し、グラスを手にした。 奈美も理央もいつもは「やっぱ最初は生で乾杯だよね~」とか言ってるくせに、今日は可愛く攻めてるらしく、私と同じサワーのグラスだ。 もちろん、ここはそこには触れない方が身のためだ。 「カンパーイ!!」 みんなではしゃいでグラスを合わせる。 グラスを口に運ぶ前に正面を向くと安永課長が私を見て微笑んだ。 あまりにまっすぐに私の目を見るので、私は恥ずかしくなって目をそらしてしまった。 空腹にアルコールでは私のようなお酒の弱い者はすぐに酔ってしまう。 早く何かお腹に入れようと、メニューを広げると、向かいの安永課長が同時にメニューを覗きこんだ。 「今日は好きなもの、何でも頼んでいいよ。」 「…ありが」 「ありがとうございまーす!!」 私が返事をする前に、私たち以外の四人が大きな声で返事をした。
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