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…これは私の義務……。
理央や奈美に対しても、課長に対しても。
そう思いながらなんとか、ゆっくりと飲み進めていた。
私はお腹も満たされ、顔もカラダも程良く火照(ホテ)っていた。
楽しそうに話していた斜め向かいの冴島さんが言った。
「あれ?桐谷さん、もしかして酔ってる?」
「あ、ホントだ。顔が赤くなっちゃって可愛い。」
そこに佐藤さんも便乗する。
「くー! やっぱノアを連れてくるんじゃなかった! 飲んでも全く顔に出ない私たち、絶対損だもーん!!」
理央と奈美はもう開き直ってる様子だ。
空のジョッキがテーブルの隅に追いやられて渋滞を起こしている。
二人の目が怖いのでそんなの無理に決まってるのに、酔っていないことにする。
「…酔ってまてんよ。」
「『酔ってまてん』って酔ってるしーーーー!!ノア、可愛すぎー!!」
…しまった。
と、思った時にはもう遅い。
話の盛り上がってた4人は私のことでさらなる盛り上がりを見せ始めた。
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