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「え? か、借りるって!? 今日、何かあったっけ?」
「何かがあるのよ。急用よ。急用が出来たの!」
そう言って桐谷くんを俺のデスクから引き剥がすように連れ去ると、磯山くんと三人で何やらこそこそと話し始めた。
西田くんと磯山くんは声をひそめているつもりだろうが、三人の会話は俺まではっきりと届いていた。
…まあ、俺の声も筒抜けだったんだから、そんなものか。
「なんと、営業部から飲み会のお誘いがありましたーー!!」
「営業部!? 飲み会? 何で? 何で誘われるの!?」
桐谷くんの反応に二人がシーっと人差し指を口元に立てる。
「…わかんないけど、突然。なんと、イケメン2トップの冴島さんと佐藤さん! アーンド出世頭の安永課長!!」
桐谷くんに静かにするように言っておきながら、西田くんは自分の声のトーンを落とすことを忘れている。
「え、何で急に? 何でそのメンバーが?」
桐谷くんは相変わらずわけがわからないといった感じだが、そのメンバーに桐谷くんでなくても俺が違和感を覚える。
…なぜだ?
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