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「やめてよ! テープを止めてよ! ……良寛さんお願いよ」
切なげな自らの声が部屋に反響している。甘美なメロディーに耳を塞ぎたかったが、両手は押さえつけられていた。手首の鉄を忌々しく、歯軋りをして睨みつけた。
喉が潰れるほど怨みごとを言いたかったが、羞恥心の方が先に勝ってしまった。恥ずかしくていたたまれもない。
――もっと……冬馬。ああ……愛してる……。
こんな声、陸也にも誰にも聞かれたくない!
「良い顔しているなぁ……悔しいのか? それとも恥ずかしいのか、久実とやら。
そうそう、言い忘れていた。直子と冬馬の浮気現場は勿論、他の者との女道楽――それを納めたCD。すべてこいつの仕業じゃ」
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