第6話

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 舞台の床の上には、茂の体内から吹き出た、様々な水分が混ざり合っている。気色の悪い色合い、光景にまた涙がこぼれだした。 私は、一体どうすれば……。 ――ああ、久実と早く別れて冬馬! ああ! 凄い!  ――別れるって言ってるだろう……そんなに急がせるなよ……。 今度は直子と冬馬が戯れる音声が流れだした。 「……茂、どういうつもりで、こんな事をしたの? ……私、許せなくなりそうだよ――」 「だから久実ちゃん、違うって……僕はそんなことしないよ! 良寛さんの仕業か、他の誰かがやったことだ。お願いだ……ボタンを押すのは止めてくれ」 ――ああ、ああ……!!!! あん!
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