第6話

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「なんだか緊張しちゃうよ僕……こんなに久実ちゃんの近くにいれるなんて――ほら、鼓動が早いでしょ?」 心臓がドクドクドクと早鐘を打っている。だが、そんなことはどうでも良かった。早く出口を探さなければ。 「そ、そうだね。明かりをまずは見つけなくっちゃ……壁伝いに歩けば、新たな模様を押すかも知れないわよね? 取りあえず手探りで、部屋の雰囲気を見てみましょうよ」 心臓にある手に力が込められる。熱っぽい暖かな手の平だった。 「せ、折角邪魔者はすべて片付いたんだし……このまま少しだけいようよ」 「片付いたってどういう意味? 冬馬のことを言っているの? 冬馬は死んだのよ? なんてことを言うのよ!」
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