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「ごめん、ごめんって。もう亡くなった人の名前は言わないで……忘れなきゃ。僕が忘れさせてあげるよ」
気配が濃くなり、人の温度がふんわりと隙間風に乗った。吐息が頬にそっと掛かる。そう感じた瞬間に、片方の手が背中に回された。
「な、なにするの茂!」
「こうすれば怖くないでしょう? これからは僕が側に居てあげるよ。久実ちゃん、好きだよ……」
――気持ち悪い!
「うわあ!!!!」
気付いたら茂の体を思いっきり突き飛ばしていた。
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