第6話

8/38
前へ
/38ページ
次へ
「なんだよ、これは! 放せよ! なんでこんな眼に遭わなくてはならないんだ! 僕が何をしたっていうんだよ!」 ――この声は……茂? 眼がぼやけ、視野がはっきりしない。まだ頭も、くらくらとしていた。 ――なんのガスだったんだろう。催眠ガス? 不吉な予感が暴走する。 ――早く、体を起こさなくっちゃ…… 前屈みに体を起こそうとすると、お腹、右手首、左手首に鉄の金具のような手ごたえがあった。 「久実ちゃん、陸也、早く助けてくれよ! 陸也! 起きろ!」
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加