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ぼやけている目を擦りたいのに、手が押さえつけられて触れない。
「久実ちゃん! 起きた? 助けてよ!」
茂の声で思考にかかるモヤを、なにがなんでも取り除かなくてはと、頭を左右に何度も振った。少しづつだけど、鈍った思考が回転し始める。
「起きたのか? 罪人。なぜ若者は、こうも簡単に罪に手を染めるのだ? 私は悲しいよ……この者たちに光あれ!!!!」
――良寛さんの声?
「ああ! 眩しい! なんだよこれ!」
暗かった部屋にスポットライトが照らされる。その明かりは茂と私に注がれてた。
折角開きかけた眼を、またぎゅっと瞑った。
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