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俺は一度アイツを車に残したまま家に入った。
すると、いつも通りに家政婦のサワさんが出てきて俺を出迎える。
「おかえりなさいませ。」
「ちょっと変なもの連れて来るけど、サワさんは気を遣わなくていいから。俺の部屋に連れてくから。水と…俺に酒。ビールでいい。」
「お客様でしたらゲストルームを準備しますが…」
「客じゃねえ。…猫…だと思ってればいいから。」
「…ネコ…ですか?」
サワさんは首を傾げたが、何かを察したのかすぐに口をつぐんだ。
「…親父は?」
「もう、おやすみでございます。」
それを確認すると俺は車に戻ってアイツを抱きかかえ、家に入った。
抱き上げた瞬間に香るアイツの匂いが鼻をくすぐって変に俺を刺激する。
コイツには少しお仕置きが必要なんだ。
酔って、目覚めたら男の部屋だったって恐怖を味あわせてやる。
俺は部屋に入り、ベッドにアイツを静かに降ろした。
薄いブラウスの中で呼吸に合わせて上下する胸元。
スカートから伸びた細い足。
何の警戒もしていない唇。
「ハア……」
思わずため息がこぼれた。
俺はしばらくその唇を見つめた後、引き寄せられるように顔を近づけ、
キスをした。
「…早く…俺のもんになれよ。」
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