憩(イコ)い-1

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彼女は一人で焦っていたが、何かを観念したかのように頷きながら会長に向かって言った。 「…無理やりじゃ…ないんです。…渉さんに…助けてもらって…。」 「…助ける?何かあったのか?」 「…何でもねえよ。食われる前に俺が捕獲しただけだ。」 「…ほ、捕獲!? 渉さん、人を動物みたいに…!」 「文句あんのか?」 「…ないです。」 三人の会話を俺は一人、蚊帳の外で聞いていた。 渉は有言実行、言ったとおりに彼女を連れ戻した。 そしておそらく、渉がそうしなければ、渉が言うように彼女は…食われていたのかもしれない。 そう考えることも恐ろしかったが、渉の行動力にも…負けたと思った。 だけど…このまま負けてなんかいられない。 彼女を手に入れたいのは俺も同じだ。
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