ペナルティ

39/46
2747人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
「…なんでしょう?」 彼女の顔がこちらに向くのを待って語り掛ける。 「今は渉も君もプライベートなんだろ?」 そこで彼女は一瞬渉に視線を投げてから俺に答える。 「…はい。」 「じゃあ、渉が『社長』でないように、俺も『室長』から離れたい。俺にもプライベートを味あわせて欲しい。」 「…え。」 「難しいことじゃない。『室長』以外で呼んでくれればいいんだ。それとも…。俺の名前、知らないとか?」 「いえ…知ってます。菊森…拓真…さん。」 「フルネームで呼ぶ?」 「…菊森…さん?」 「渉は名前なのに?」 一歩も引かない俺の態度に彼女は少し困惑気味だが俺も引かない。 「…拓真…さん?」 「それがいいな。」
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!