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…ヤマザキ…キョウスケ……
『山崎 恭介』
エレベーターの階数表示が1で止まり、エレベーターの扉が開くと同時に、視界が開けたようにその名前を思い出した。
聞き覚えがなかったのは紙に書かれた文字だったからだ。
山崎 恭介。
渉さんとの視察の帰り、サービスエリアで私がコーヒーをかけてしまった相手だった。
あれから連絡もなく、渉さんから止められていたのでこちらからも何も連絡をしていなかった。
…今日はいったいどういうことだろう……。
連絡もなしに突然やってきた訪問者に、胸の中には得体の知れない不安が広がった。
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