刺客 2

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ロビーに行き、受付に座る森本さんに会釈をすると、彼女が視線で彼の居場所を示してくれた。 辺りを見回したがすぐには見つけられず、もう一度彼女に確認しようと身体の向きを変えようとすると、一人の男性が座ったままで私に手をあげた。 「やあ。ノアちゃん。」 声を掛けてきた人物はあの時の“彼”に間違いないけれど、あの時とは随分雰囲気が違っていた。 シャツにネクタイ、きれいなパンツ。 どこからどう見てもビジネスマンだった。 あの時は学生のような印象さえ受けたのに。 「こんにちは。あの…先日は大変申し訳ありませんでした…。連絡もせずに…。」 「ほーんと、連絡くれないからここに来るしかなかったじゃん。」 彼はそう言って一枚のメモ紙を顔の前でひらひらと揺らした。 よく見ると、それはあの日私が携帯番号を書いたメモだった。 「ノアちゃん、君、この電話番号どこか間違ってるよ。何度かけても君に繋がらないもん。」 「え?」 私はその小さな紙を受け取って、番号を確認した。 『 090-XXXX-XX2X 』 …あ。 ここ2じゃない!
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