刺客 2

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「すみません! 本当に間違ってたみたいです。本当にごめんなさい。」 「あはは。いいよ、もう。それにそのおかげで君に会えたし。」 「…よくここがわかりましたね。」 「これだよ。」 彼は今度は別の紙を掲(カカ)げた。 「あの社長さんがくれた名刺。…もらっとくもんだね。」 …あ。 そういえば、あの時、渉さんは名刺を渡していた。 それで、ここがわかったのは…理解できたのだけれど… …どうして、ここに来たのだろう? 私の頭の中に浮かぶハテナマークを読みとったのか、彼が切り出した。 「今日はさ…。あ、とりあえず座りなよ。」 「…はい。」 ロビーの商談スペースで、彼の向かい側に私は腰を下ろした。 すると、彼は渉さんの名刺と番号のメモを胸ポケットに仕舞い、それと引き換えに自分の名刺を取り出した。 「はい、これ。俺の名刺。」 「…失礼します。」 私は彼の名刺を胸の位置で確認した。 …え。 声が漏れそうになるのを何とか抑えた。
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