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「ま、私たちは行けないけど、また話聞かせてよ。」
奥では室長もデスクにいて、私たちの話を聞いているようだった。
「うん。」
そう言ったところで渉さんが秘書室に顔を出した。
「行くぞ。」
「はい。」
「行って参ります。」
室長と二人に挨拶すると、ドアを抜ける私に二人が言った。
「途中、襲われないようにね。」
「帰りが遅くなっても責めないから。」
「何言ってんの。」
二人に小さく手を振って、奥の室長に最後に視線を向けて部屋を出た。
ガラス越しに室長の視線が私を追っていたことなんて、少しも気付かなかった。
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