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『…恭ちゃん…』
彼女がそう呼ぶのは…
そう、コーヒーの彼。
山崎 恭介さんだった。
『…どうして、ここに?』
それは私のセリフだ。
どうしてここに?
…恭…ちゃん?
「…野崎さん、知り合いなの?」
彼女は顔をほんの少しだけ私の方に向けたけれど、沈んだ視線のまま言葉もなかった。
すると、彼が私たちに近づきながら彼女に言った。
「『どうして…。』って、こっちが聞きたいよ。彼女と一緒にいるのに何で連絡してこない?」
…え?
…どういうこと?
「…どうして、連絡してないのに…ここが…わかったの?」
「あー。それ?俺、最初からお前のことあてにしてねえし。別のヤツにお前のこと監視させてたの。」
「…そんな…。」
…何の話?
「…でも、意外だな。何も出来ないただの箱入りお嬢だと思ってたのに、意外にやるじゃねえか。もう、二人で飯食う仲かよ?すげえな。どんな演技したんだよ?」
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