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彼の理解し難い言動に小さく震える腕をきつく抱えた。
彼のことは正直、怖いと思ったけれど、同時に怒りも込み上げていた。
彼は私に会う機会をつくるために彼女を私に近付かせた。
彼女を利用したのだ。
それなのに、今は彼女の存在など眼中にもない様子だ。
彼女が私と一緒にいながら彼に連絡しなかったのは、彼女自身が自分で決めたことだ。
彼女は…彼との約束に葛藤しながらも、自分が正しいと思う判断をしてくれたんだと思った。
なのに、この人ときたら…。
「…私は少しも会いたくありませんでしたけど。」
何の感情もこもらない冷たい言い方に自分でも驚いた。
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