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「あはは。そんな風にツンツンしてる君もかわいいね。」
…この人は…バカですか?
私の眉間のシワになど全く気付きもしない彼は、そう言って笑いながら、今度は彼女を見つめた。
「あ、お前、もう帰っていいよ。」
そして、彼女の反応も見ずに今度は私。
「ノアちゃん。こんなとこじゃなくて、もっとムードのあるとこ連れてってあげるよ。ちゃんとした個室だし、ゆっくり出来るよ。」
彼は椅子から立ち上がった。
普段、怒りという感情を表に出さない私だけれど、それが出てしまうと…
実は怖いものなしだってことを
今、自分でも初めて知った。
私は立ち上がった彼を上目遣いに睨んでいた。
「…行きたいのなら、お一人でどうぞ。」
うわ。
私って、こんなこと言えちゃうんだ。
いつもと違う自分に冷静に実況中継までしていた。
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