使者-1

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彼女の胸の中は、 スカートのプリーツと同じようにギュッと、クシャっとなって締め付けられているだろう。 自分の好きな人に… そんな言葉を投げるのだから。 私にできるのは 私の想いを素直に言うことだけ。 彼がもう勘違いしないように。 もう…私のそばに寄らないように。 …私だって…今なら強気になれるんだから。 「…彼女にこんなこと言わせるなんて、本当に最低で最悪です。…あの時…聞いてなかったんですか?…『私は彼のものだ』って。私には彼しかいない。彼のことが好き。…わかったら、もう私には関わらないでください。だけど、彼女にだけは、ちゃんと謝って下さ…。」 「桐谷さん、もういいの。」 私が言い終わらないうちに彼女が私の言葉を遮った。 「…もう、いいの。…結局、桐谷さんに会えたのは恭ちゃんのおかげだし…、もう、いいの。桐谷さん!飲み直しに行きましょうよ!」 明るく言う彼女の顔で、その瞳には涙がいっぱい溜まっていた。 「うん!行こう!!」 私たちは二人で彼に背を向けた。 何かを言いかける彼を背中で跳ね返して、私たちは夜の街に力強く歩きだした。
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