使者-2

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使者-2

その夜、私たちが帰宅したのはもう日付が変わる直前だった。 実はあれから二人でカラオケにも行ってしまった。 だからもう… …へとへと。 家に帰って来て、そのままソファに体を投げるようにして横になる。 ここで体を横向きにして膝を曲げて丸くなるのが心地いい。 自分でも意外な赤という色を選んでしまった一番の理由は…寝心地。ただそれだけ。 別に赤でなくても良かった。 何色でも良かったけれど、この寝心地の良さに匹敵する他の代物がなかったのだ。 私の体に合う、この高さ、大きさ、クッション性…。 そこで寝転びながらバッグから携帯を手探りで取り出した。 …あ、着信。 それは、渉さんからのものだった。 時間は一時間以上も前のものだった。 あ、カラオケで気づかなかったのかな…。 仕事のことなら連絡が取れないことは許されない。 だけど、この時は仕事…ではない気がして、 …どうしたのかな…。 そう思いながら、ぼんやりとした頭で指先はもう、通話ボタンに勝手に触れてしまっていた。
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