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室長は気にしてないみたいだったけど、私はいつも通りに上手く話せなくって、静かにコーヒーを飲んだ。
そして、カップが空になるといろんな意味で気合を入れて、立ち上がった。
「じゃあ、修正して仕上げますね。」
「ああ、頼むよ。このしるしの箇所だ。訂正出来たら三部印刷してほしい。」
「はい。わかりました。」
私は室長から資料を受け取って、再び自分のデスクで作業を始めた。
言われたとおりに三部印刷してからホルダーでファイリングして室長に渡した。
「ありがとう。…ファイリングまで…。やっぱり優秀だね。」
冗談交じりに言う室長の視線は…すごく優しかった。
その視線に心臓がとトクンと音を立てるのに…
どこか、ぼんやりともしていた。
…室長は…
…女性と…ああいうことする時も…
…こんなにも優しい目を…
…するんだろうか…。
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