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…ん。
…んーーーん。
…あ。
…私、あのままソファで寝ちゃったんだ…。
こんなの久しぶり。
ソファで寝てしまった時は、やはり体が縮まったりする分、ちゃんと休めた気がしないんだけど、この時はなぜかそんなことも感じなかった。
横向きになっていた体を仰向けにして、大きく伸びをする。
「んーーーーん!」
「寝すぎだ。バカ。」
伸びをしたまま、体が固まる。
「え。」
なんて、小さな声を漏らしてみたり。
そんな場合じゃなく、急いで体を起してソファに正座。
「バカ面が、さらにバカ面。」
「…わ、渉さん!?」
ここは私の部屋。
だけど、渉さん。
「…な、何で!?」
「『何で?』って、お前。鍵、開いてたし。何考えてんだよ?ここにいるのが俺じゃない誰かかもしれねえし、そん時はお前、完全にヤられてるし。」
「…や、ヤられる…?殺され…。…生きてる…。」
渉さんは大きくため息をついた後、冷蔵庫から水のペットボトルを勝手に取り出し、キャップを外してゴクゴクと喉を鳴らして飲んだ。
そして、そのボトルのキャップを閉めながら言った。
「…そうじゃねえよ。」
そう言った直後には、キッチンにいたはずの渉さんがソファのすぐ横まで来ていた。
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