使者-2

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ピンポーン。 って、何なんだよ。 今日はコイツを許さねえって決めたんだよ。 てか、もう我慢できねえし。 アイツの見せる女の顔に、理性も何もかもぶっ飛んでる。 欲しくて、欲しくてたまらねえ。 誰であろうと邪魔はさせるか。 しつこいインターホンの間にも、アイツの唇を塞ぐ。 なのに… ピンポーン。 ピンポーン。 ピンポーン。 ピンポーン。 インターホンが続くにつれて、アイツの色づいた表情がその音のマヌケさ同様に、間が抜けていく。 クソッ。 俺も続きがしたいのに、苛立ちが先立って手がつけられねえ。 その時、インターホンの合間に、薄っすらと女の声が聞こえた。 「望愛。いないのー。」 コイツのしつこい友達かと思ったが、俺の下でアイツが目を丸くした。 「…お、お母さん!?」 俺はその声に慌ててアイツからカラダを離した。そして、アイツもカラダを起こす。 「…ど、どうしよう…。」 「どうしようって、とにかく出ろよ。」 「か、髪の毛が…。」 「最初からボサボサだろ。早く行け。」 アイツは髪の毛を直しながら、玄関に向かった。 …チクショウ。 そう思いながら俺もゆっくりソファから立ち上がった。
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