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ピンポーン。
って、何なんだよ。
今日はコイツを許さねえって決めたんだよ。
てか、もう我慢できねえし。
アイツの見せる女の顔に、理性も何もかもぶっ飛んでる。
欲しくて、欲しくてたまらねえ。
誰であろうと邪魔はさせるか。
しつこいインターホンの間にも、アイツの唇を塞ぐ。
なのに…
ピンポーン。
ピンポーン。
ピンポーン。
ピンポーン。
インターホンが続くにつれて、アイツの色づいた表情がその音のマヌケさ同様に、間が抜けていく。
クソッ。
俺も続きがしたいのに、苛立ちが先立って手がつけられねえ。
その時、インターホンの合間に、薄っすらと女の声が聞こえた。
「望愛。いないのー。」
コイツのしつこい友達かと思ったが、俺の下でアイツが目を丸くした。
「…お、お母さん!?」
俺はその声に慌ててアイツからカラダを離した。そして、アイツもカラダを起こす。
「…ど、どうしよう…。」
「どうしようって、とにかく出ろよ。」
「か、髪の毛が…。」
「最初からボサボサだろ。早く行け。」
アイツは髪の毛を直しながら、玄関に向かった。
…チクショウ。
そう思いながら俺もゆっくりソファから立ち上がった。
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