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「え?」
「え?」
「え?」
…もちろん、渉さんを除く三人の反応。
三人とも開いた口が塞(フサ)がらなくて、まばたきだけを激しく繰り返す。
そんな私たちを気にも留めずに、渉さんは自分の言葉に満足気に笑う。
「そうだ。それがいい。」
渉さんは一人で大きく頷いた。
「…坊ちゃま。」
「…渉。」
「…渉…さん。」
「渉。それは無茶だろう。勝手なことばかり言って、桐谷君が困ってる。」
「そうですよ、坊ちゃま。いったい何をおっしゃるかと思ったら。とにかくサワのことは気にしなくて結構です。」
「いい案だと思ったのにな。…だいたい、コイツ、ぜってえ暇してるし。」
「渉。桐谷君に失礼だぞ。すまないね、桐谷君。」
渉さんの代わりに会長が謝る。
…確かにいつもどおりの失礼ですけど…
…事実なだけに、強く否定できない。
それに…
そうすれば…
…佐和子さんが休みを取れるのだろうか。
私は渉さんの突拍子もない提案を、少し真剣に考え始めていた。
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