使者-3

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サワさんとアイツはやけに気が合うらしく… …おばはん同士か。 俺のことをそっちのけで庭に花なんかを見に行ったりしてる。 そして、それが終わるとサワさんがこの家を案内すると言って、アイツを連れて再び出て行った。 …社会見学か。 俺は一人になって、リビングでテレビをつけた。 別に俺はふてくされてなんかいねえ。 サワさんとアイツの仲がいいのはいい傾向だ。 …将来のためにも重要だ。 俺はそう思いながらソファにゆったりともたれた。 しばらくして、廊下の方からにぎやかな声が聞こえてくる。 ずいぶんと長い間家を回っていたことになる。 ダイニングに入るなりサワさんが声をあげた。 「ああ、坊ちゃま。一人にしてごめんなさいね。ついつい、私が桐谷さんを独占しちゃいましたよ。…寂しかったでしょ?」 「…寂しかねーよ。見学会は終わったのか?」 俺は視線をアイツに留めた。 「はい!!このお家、すごいですね!とにかく広いです!お部屋がいっぱい。広いけど隅々まですっごく綺麗で、佐和子さんに掃除のコツとか教わっちゃいました。手作りの掃除道具とか。」 …コイツ、会話がどんどんおばはんになっていく…。 「…そんなこと聞いてどうすんだよ?」 「活(イ)かします!!」 「あ、そ。」 それからサワさん特製の冷たいゆず茶をアイツと二人で飲んだ。 アイツはその味にえらく感動して、飲み終わると作り方を教えてもらうと言って、サワさんのいるキッチンに入って行った。 そして、そのまま夕飯の準備が始まったようだった。
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