使者-3

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俺の胸の内を悟ったのか… そんなわけねえけど、アイツがこんな近くにいながら小さく手招きをする。 「渉さん。これ、味見してみて下さい。」 アイツがスプーンで液ダレをすくって俺に差し出した。 俺はそれを口に入れた。 「…レモン?」 「はい。レモンとガーリックです。そこにお肉を漬け込んで、後から焼くんですよ。」 「へえ…。いいんじゃねえ?タレだけでもウマいな。」 「よかった。じゃ、お肉入れますね。」 アイツが冷蔵庫を開けて肉を出す。 俺は包装を解くアイツの手からそれを奪った。 「俺がやる。入れるだけだろ?」 「渉さんも手伝ってくれるんですか?」 アイツが俺の顔を覗きこむ。 「しょうがねえだろ。サワさん、どっか行っちまったし。」 俺はそう言いながらタレの入ったボールに肉を落とし入れた。
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