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俺の胸の内を悟ったのか…
そんなわけねえけど、アイツがこんな近くにいながら小さく手招きをする。
「渉さん。これ、味見してみて下さい。」
アイツがスプーンで液ダレをすくって俺に差し出した。
俺はそれを口に入れた。
「…レモン?」
「はい。レモンとガーリックです。そこにお肉を漬け込んで、後から焼くんですよ。」
「へえ…。いいんじゃねえ?タレだけでもウマいな。」
「よかった。じゃ、お肉入れますね。」
アイツが冷蔵庫を開けて肉を出す。
俺は包装を解くアイツの手からそれを奪った。
「俺がやる。入れるだけだろ?」
「渉さんも手伝ってくれるんですか?」
アイツが俺の顔を覗きこむ。
「しょうがねえだろ。サワさん、どっか行っちまったし。」
俺はそう言いながらタレの入ったボールに肉を落とし入れた。
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