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すると、アイツが肉の入ったボールに手を入れた。
アイツの手が肉を揉み込む。
「俺がやる。」
「じゃあ、先に手を洗って下さいね。」
アイツに言われるままに手を洗って俺もボールに手を入れる。
柔らかい肉の感触。
料理なんてしたことねえし、初めての感覚。
それに…
肉と一緒に触れるアイツの指。
肉よりも…むしろそっちか。
俺の濡れた指をアイツの細い指に絡ませる。
料理って…
案外楽しいじゃねえか。
「…わ、渉さん。私の手じゃなくて…お肉。お肉です。」
俺は肉をそっちのけでアイツの指を絡め取る。
近くで目を泳がせるアイツの顔にさらに近付き、キスをしようとした瞬間。
「まあ…。」
隙間だらけの両手で顔を覆った…
サワさんだった。
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