使者-3

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すると、アイツが肉の入ったボールに手を入れた。 アイツの手が肉を揉み込む。 「俺がやる。」 「じゃあ、先に手を洗って下さいね。」 アイツに言われるままに手を洗って俺もボールに手を入れる。 柔らかい肉の感触。 料理なんてしたことねえし、初めての感覚。 それに… 肉と一緒に触れるアイツの指。 肉よりも…むしろそっちか。 俺の濡れた指をアイツの細い指に絡ませる。 料理って… 案外楽しいじゃねえか。 「…わ、渉さん。私の手じゃなくて…お肉。お肉です。」 俺は肉をそっちのけでアイツの指を絡め取る。 近くで目を泳がせるアイツの顔にさらに近付き、キスをしようとした瞬間。 「まあ…。」 隙間だらけの両手で顔を覆った… サワさんだった。
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