使者-3

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「うわ、サワさん!」 「さ、佐和子さん!?」 反射的に二人で顔を離した。 「あらら。私ったら、とんだお邪魔を。申し訳ありません。」 耳まで色の変わったアイツの横で、俺も顔の温度が少し上がっちまった。 サワさんにだけはかなわねえ。 「…いるなら先に言ってくれよ。」 「すみません。お邪魔するつもりはなかったんですが、ちょうど、旦那さまがお帰りになったようで。ふふ。せっかくだから桐谷さんにお出迎えをして頂こうと思いまして。」 「そうか。」 そして、俺はアイツに向き直る。 「…だってよ。頼む。親父のニヤついた顔が目に浮かぶけどな。」 「はい。わかりました。」 アイツは急いで手を洗って、小走りで玄関に向かった。
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