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室長のあの目を見た後で、
私は渉さんの背中を追う。
以前の私なら、室長の考えてることが気になったかもしれない。
室長にあんな顔をして欲しくないとも思うだろう。
でも、私は気付いてしまった。
…自分の気持ちに。
私が追いかけたいのは
やっぱり、渉さんの背中なのだ。
私は渉さんに好きだと言われたわけじゃないけれど、
室長からだって言われていない。
だから私は
室長があんな風に寂しそうにする理由は…
…私にはないなんて
自分に都合のいいように考えて、
胸を締め付ける室長の眼差しを、
一瞬でも思い出すのがなんだか怖くて
その後、ダイニングに戻ると、不自然なほどにはしゃいでしまったかもしれない。
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