使者-3

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「さあ、早く夕飯にしよう。」 会長はそう言いながら、もうダイニングテーブルの席に着いている。 「まあ、旦那様ったら大はしゃぎね。」 出来上がった料理を運びながら、佐和子さんが笑った。 渉さんがキッチンに入ってから、佐和子さんは少し離れて作業をして、どこか脇役に徹しているようだった。 渉さんは初めてだと言いながら、なかなかの手つきで手伝ってくれた。 …ただし、本当に大胆で怖かったけど。 …でも 実は男の人と一緒に料理をするというのは私も初めてで… 料理では余裕ぶっていても… 本当はすごくドキドキしてたの。 そして、いつの間にかダイニングのテーブルは料理で埋められ、佐和子さんに先に座るように促されて、私はエプロンを外した。 「私は…ここでいいですか?」 「いいですかって、そこ、お前の席だろ?とっとと座れ。」 『おまえの席』 そのフレーズに顔が赤くならないように…なんて、そんなコントロールは効かなくて、私は顔が熱を放ったまま席に着いた。 渉さんの隣の… いつもの席に。
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