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蕎麦屋を出て、車に乗り込む。
今度は夕飯の買い物に出かける。
車が動き出してしばらくしたところで、私は何気ないふりを装って…でもドキドキしながら聞いてみた。
「…あのお店には…いつも一人で行くんですか?…女の人とは…。」
「行かねえよ。」
即答で返ってきた。
しかも、私が少しだけ期待していた言葉だった。
「蕎麦屋に化粧くせえ女を連れて行く気にはなれねえ。お前はそうじゃない。」
…確かに私は薄化粧だと思うけど…
…そういう理由?
…薄化粧の女性のみ、入店可?
そんなことを思いながら、少しだけ落ち込む私に渉さんは言った。
「…言っておくが、俺は化粧くせえ女は車にも乗せねえ。俺の好きな空間が台無しになる。」
…そうなんだぁ。
「…私って…無臭ですか?」
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