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『…私って…無臭ですか?』
ドあほ!!
ふざけんな。
全く通じてねえ。
「はあ?」
それだけ言って口をつぐんだ。
別に腹が立ったわけじゃねえ。
…お前が無臭?
お前はお前の匂いがする。
鼻を突く、作られた匂いじゃねえ。
優しい…
甘い…
俺を…
俺だけを引き寄せる
蜜(ミツ)の匂いが。
その匂いを思い出して
また俺の中に男としての欲が芽生えてくる。
それを抑えるのに必死な俺に気付かず、アイツは俺の隣で自分の髪の毛を引き寄せて自分の匂いを気にしていた。
…バカか。
そう思いながらもその仕草に口元が緩む俺も…
…バカだな。
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