第2話

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4/最初の夜 1 「見て下さい~! この沖縄料理の数々、美味しそうですねぇ♪」  ずらりと並んだ沖縄料理のフルコースに前に宮野リポーターと大槻リポーターがいる。  そして席についている参加者一同。二人のリポーターは、それぞれ本日の調査の感想や料理の感想など聞いて回っている。 「この島は漁師の島でもありました。綺麗な珊瑚礁があり、近くは豊富な漁場です。ホント別荘にできたらどんなにいいでしょうね。だけどここは呪われた島……複雑です」 「僕はそのうちここに別荘でも立てようかな♪」と答えたのは俳優の神野だ。 「綺麗な島だし、僕がスキューバーダイビングするの宮野さんも知ってるでしょ? ぜひ潜ってみたいね」 「あ♪ 神野さんもそう思ってました? 私もー! うわっ このタイ旨っ」  隣りに座っていた芸人 樺山がパクパクと刺身を食べる。 「それタイじゃなくてミーパイですよ、樺山さん」 「細かい事どうでもいいじゃん!」 「そんなパクパク食うとると、また体重増えるでぇ~」 「女にそんなこというてええんかお前は! お前もこんな旨いもんバクバクくっとるとブタになるでぇ~」と<こんぴら>の近藤が突っ込むと、平山は立派に実った太鼓腹を叩き「もう立派なブタやっちゅーねんっ!」と笑い飛ばした。が、近藤が負けず「ブタって毛も薄いんやで?」と切り返すと平山が叫ぶ。「髪のこと言うなぁっ!!」 「おもろない……なんも面白くない」  飛鳥がしみじみと目の前の料理を見ながら呟く。 「お面のせいで料理が食えない」とサクラ。 「ちゃうわっ! ……いや、事実やけど……」 「……しょ……食事でもお面はとらないの? 二人とも」  隣りに座った涼が小声で語りかける。彼女も本当は芸能人たちのグループに入り食事を摂る予定だったが、本人の希望によりAS探偵団や拓たちと一緒の場所となった。 「カメラがNGなの。で、飛鳥は何が不満なのよ」  なんとかお面をずらしながらチビチビと食べているサクラ。 「関西弁キャラがかぶって面白くないー 関西弁はウチの専売特許やのにぃぃぃ~」 「東京人のえせ関西弁のクセに芸人と張り合うな」 「飛鳥さん東京の人だったんだ」  その直後、一通り食事のシーンが撮れたと一旦カメラが止められ、場の雰囲気が緩んだ。それを見た拓がスタッフを呼んだ。 「悪いけど、俺たちだけ別で食事できます?」
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