雲行き-1

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「…私…。」 お前がそんな潤んだ目で、俺に伝えることは一つなはずだ。 …さあ、言え。 お前の気持ちを教えてくれ。 それを聞けば俺は魔法からとけるのか。 いや… 本当のモンスターになっちまうだけか…。 会社でそれはマズイよな…。 つうか、真昼間。 …しかも、今… …時間がねえ。 俺の変な妄想を断ち切ったのは、俺が待ってたアイツの言葉ではなく… 俺のデスクで鳴る内線電話だった。 「はあ?」 思わず電話を睨んでいた。 「早く続きを言え。」 そう言ってはみたものの、その間にも電話は鳴り続けている。 アイツは俺の言葉を無視して、俺の代わりに電話に出た。 「はい、社長室です。…はい。…はい。おつなぎします。」
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