2850人が本棚に入れています
本棚に追加
「…私…。」
お前がそんな潤んだ目で、俺に伝えることは一つなはずだ。
…さあ、言え。
お前の気持ちを教えてくれ。
それを聞けば俺は魔法からとけるのか。
いや…
本当のモンスターになっちまうだけか…。
会社でそれはマズイよな…。
つうか、真昼間。
…しかも、今…
…時間がねえ。
俺の変な妄想を断ち切ったのは、俺が待ってたアイツの言葉ではなく…
俺のデスクで鳴る内線電話だった。
「はあ?」
思わず電話を睨んでいた。
「早く続きを言え。」
そう言ってはみたものの、その間にも電話は鳴り続けている。
アイツは俺の言葉を無視して、俺の代わりに電話に出た。
「はい、社長室です。…はい。…はい。おつなぎします。」
最初のコメントを投稿しよう!