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週が明けて、出社。
週末にはいろいろなことがあった。
渉さんへの自分の気持ちにはっきりと気付き、
それとは逆に渉さんの気持ちはわからないまま、
夏休みを一緒に過ごすことになった。
寂しさとうれしさを同時に感じていたけれど、この夏のきらびらかな太陽の日差しに後押しされてか、うれしさの方が膨らんでいた。
お昼休みの終わり、秘書室で昼食を終えた理央と奈美と私の三人で話していると、話題が来週末からの夏休みへと変わった。
「理央はどうすんの?」
切り出したのは奈美だった。
「うーん。実家でラクしながら、地元に集まった友達とでも遊ぼうかな。久しぶりに会う男友達が急にイケメンになってたりしたらうれしいけど。」
「…期待しない方がいいよ。」
「だよね。奈美は?」
「私は実家暮らしだし、何の代わり映えもしないかなぁ。旅行とかも混んでるし、暑いし、行く気ないし。」
「…行く相手もいないしねえ。」
「うるさい。」
「で、ノアは?」
「で、ノアは?」
二人が同時に私に顔を向けた。
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