雲行き-1

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理央のニタリと笑う目と、奈美のニヤリと笑う口元に背筋に寒いものが走ったりして。 「…私も…普通。」 無難に答えたつもりが完全に疑いの眼差しが向けられていた。 「ふーん、どんな風に普通なの?」 「…とりあえず…実家に帰る。」 「ふーん。とりあえず帰って、その後は?」 「・・・・。」 「普通じゃないのね?」 「・・・・。」 「モンスター?」 「・・・・。」 「はい。話して。」 「はい。話して。」 自分のこのわかりやすい性格を何とかしたい。 理央と奈美に遠慮とか容赦というものは微塵もなく、私は誰にも内緒ね。と前置きをして、昨日決まったことを大まかに話した。 もちろん、名目としては 『会長の体が心配だから。』 というものだ。
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