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「…昼飯はサワさんが作るって言ってたし、サワさんはしばらくキッチンから動かねえよ。親父はお前を待ってたが野暮用で今はいねえ。」
…だから…。
…だから…どうするの?
「座れ。」
ベッドに座っていた渉さんが棒立ちの私の腕を取る。
私はその力に引かれてそのままベッドに腰を下ろした。
渉さんの隣。
向き合う顔の距離は30センチ。
視線を逸らすにも、渉さんの視線がそれを許さない。
子供っぽいのに…
いつもより大人びた視線。
「…約束だったな。あの続きを聞かせてもらう。さあ、言え。」
…約束。
やっぱりあれは約束だったんだ。
連休前の社長室。
私の…気持ち…のその続き。
『ベッドの上で聞いてやる。』
さすが…
渉さん。
いつだって有言実行。
なんだって本当にそうしちゃう。
感心してる場合じゃない。
…私…
もう…
…逃げられないかもしれない。
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