雲行き-2

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「…昼飯はサワさんが作るって言ってたし、サワさんはしばらくキッチンから動かねえよ。親父はお前を待ってたが野暮用で今はいねえ。」 …だから…。 …だから…どうするの? 「座れ。」 ベッドに座っていた渉さんが棒立ちの私の腕を取る。 私はその力に引かれてそのままベッドに腰を下ろした。 渉さんの隣。 向き合う顔の距離は30センチ。 視線を逸らすにも、渉さんの視線がそれを許さない。 子供っぽいのに… いつもより大人びた視線。 「…約束だったな。あの続きを聞かせてもらう。さあ、言え。」 …約束。 やっぱりあれは約束だったんだ。 連休前の社長室。 私の…気持ち…のその続き。 『ベッドの上で聞いてやる。』 さすが… 渉さん。 いつだって有言実行。 なんだって本当にそうしちゃう。 感心してる場合じゃない。 …私… もう… …逃げられないかもしれない。
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