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渉さんはそばにある小ぶりのソファに私の荷物を下ろした。
「来い。」
渉さんは私の腕を掴んでそのまま部屋を出て、斜め向かいの自分の部屋のドアを開けた。
「お前はこっちの方が居心地がいいだろ?…慣れてるから。」
「な、慣れてる…って、まだ一回しか入ったことないですよ!?」
「一回で十分だろ。一緒に寝たんだから。」
…う。
顔に火がついちゃう。
そして、泳いだ視線がベッドで止まる。
それを見て渉さんも一緒にベッドを見つめる。
「お、マジでシーツがきれいになってる。」
そこで渉さんが声をあげて笑う。
「見ろよ。サワさん、枕二つ置いてるぜ?」
…ほ、ホントだ。
ベッドには枕が二つ並んでいた。
「…気が利くよなぁ?」
渉さんが枕から私に視線を戻して…
口の端をゆっくりと持ち上げた。
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